ROAS広告ルール

ROAS関連の指標では、複数のフィルターを組み合わせて、ROAS指標の計算方法を正確に指定することが重要です。重要なフィルターとしては、attribution_windowtime_preset (ルックバック時間枠)、hours_since_creationがあります。ROASは、Return On Advertisement Spending (広告費用対効果)の略です。

例えば、7日間のクリック由来モバイルアプリ購入についてROASを計算する場合、7日間の完結データだけを対象とするには、次のようにします。

  • attribution_window7D_CLICKに設定する
  • time_presetLAST_ND_14_8に設定する

こうすると、ルックバック時間枠内に広告をクリックしたユーザーによる、7日間のモバイルアプリでの全購入金額が対象となります。ただし最後の7日間は、未完結のデータが含まれるため除外されます。ユーザーが昨日広告をクリックした場合、購入の可能性がある日が6日間残っているため、ROAS計算にそのユーザーは含まれません。

購入金額は、モバイルアプリでの購入イベントとウェブサイトコンバージョン購入(FBピクセル)イベントそれぞれのROAS指標の値を指します。APIでは、これはそれぞれ、app_custom_event.fb_mobile_purchaseoffsite_conversion.fb_pixel_purchaseのカウント指標の購入額を指します。

アトリビューション時間枠にクリック時間枠とビュー時間枠の両方が含まれている場合、計算されるROASはそれらの値の合計です。例えば、attribution_window1D_VIEW_7D_CLICKなら、1D_VIEWのROAS値と7D_CLICKのROAS値の合計を計算します。この2つのアトリビューションには共通部分がないため、重複を気にせずに加算できます。

この指標を使う最適なケースには、データが完結するのに必要な経過日数を確保するための時間ベースのフィルターも含まれます。完結データが必須のユースケースでは、広告セットが十分な期間掲載されるようにするため、hours_since_creationなどのフィルターを使うことをおすすめします。

ルールの例を以下に示します。

  • 7日間のクリック由来ウェブサイト購入のROASが0.50 (50 %)より大きい場合に、予算を20 %増額する
  • 完結データ7日間を対象とする
  • 1日1回チェックする

これらのルールは具体性が高いため、通常は、id = 123といった特定の広告セットリストに適用されます。少なくとも丸一日分の完結データを取得するため、ここでは作成からの経過時間に8*24 (=192)時間という値を使っています。

curl \
-F 'name=Test Website ROAS Rule' \
-F 'schedule_spec={
     "schedule_type": "DAILY"
   }' \
-F 'evaluation_spec={
     "evaluation_type": "SCHEDULE",
     "filters": [
       {
         "field": "id",
         "value": [123],
         "operator": "IN"
       },
       {
         "field": "time_preset",
         "value": "LAST_ND_14_8",
         "operator": "EQUAL"
       },
       {
         "field": "attribution_window",
         "value": "7D_CLICK",
         "operator": "EQUAL"
       },
       {
         "field": "hours_since_creation",
         "value": 192,
         "operator": "GREATER_THAN"
       },
       {
         "field": "website_purchase_roas",
         "value": 0.50,
         "operator": "GREATER_THAN"
       }
     ]
   }' \
-F 'execution_spec={
     "execution_type": "CHANGE_BUDGET",
     "execution_options": [
       {
         "field": "change_spec",
         "value": {
           "amount": 20,
           "unit": "PERCENTAGE"
         },
         "operator": "EQUAL"
       },
     ]
   }' \
-F "access_token=<ACCESS_TOKEN>" \
https://graph.facebook.com/<VERSION>/<AD_ACCOUNT_ID>/adrules_library

ルールの例を以下に示します。

  • 1日のビューと1日のクリックに由来するモバイルアプリ購入ROASが0.80という目標値になるよう、毎日入札のスケールを調整する
  • ROAS値に対する範囲フィルターにより、5 %の許容範囲枠を設定する

ここでも、完結データだけを取得するため、LAST_7DLAST_14Dなど、今日のデータを含まない時間プリセットを使います。

curl \
-F 'name=Test Mobile App ROAS Rule' \
-F 'schedule_spec={
     "schedule_type": "DAILY"
   }' \
-F 'evaluation_spec={
     "evaluation_type": "SCHEDULE",
     "filters": [
       {
         "field": "id",
         "value": [123],
         "operator": "IN"
       },
       {
         "field": "time_preset",
         "value": "LAST_7D",
         "operator": "EQUAL"
       },
       {
         "field": "attribution_window",
         "value": "1D_VIEW_1D_CLICK",
         "operator": "EQUAL"
       },
       {
         "field": "hours_since_creation",
         "value": 48,
         "operator": "GREATER_THAN"
       },
       {
         "field": "mobile_app_purchase_roas",
         "value": [0.76, 0.84],
         "operator": "NOT_IN_RANGE"
       }
     ]
   }' \
-F 'execution_spec={
     "execution_type": "CHANGE_BID",
     "execution_options": [
       {
         "field": "change_spec",
         "value": {
           "amount": 0.80,
           "target_field": "mobile_app_purchase_roas"
         },
         "operator": "EQUAL"
       },
     ]
   }' \
-F "access_token=<ACCESS_TOKEN>" \
https://graph.facebook.com/<VERSION>/<AD_ACCOUNT_ID>/adrules_library