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WhatsApp Flows 101: An Introduction

2023年10月27日作成者:Fariha Rehman

WhatsApp Flowsは、利用者とのやり取りを価値あるものにするためのWhatsApp Businessプラットフォームの機能です。これにより、WhatsAppでタスク中心のネイティブワークフローをすばやく開発および導入することが可能になります。タスク完了率の向上、離脱の低減、利用者とのエンゲージメントの改善につなげることができます。

WhatsApp Businessプラットフォームの機能として、利用者とのやり取りの質を高めるために提供されているのがWhatsApp Flowsです。これを利用することで、チャット内でインタラクティブな体験を実現し、長々と続いていた会話をスピーディーでシンプルなコミュニケーションに変えることができます。分かりやすい入力フォームの作成や複数画面のワークフローの設計ができるほか、データ交換エンドポイントの確立によりさらに複雑なやり取りを実現することもできます。これらはすべて、利用者とのエンゲージメントを高めることを目的としたものです。

以下のセクションでは、WhatsApp Flowsの要となる技術的な側面と、この機能によってインタラクティブな利用者体験を構築する方法について説明します。

WhatsApp Flowsの概要

WhatsApp Flowsは、使い慣れたWhatsAppのチャットインターフェイス内にインタラクティブな利用者体験を構築できる機能です。カスタムメイドのフローを自由に構築、管理、導入して、利用者とのやり取りの流れをパーソナライズすることができます。

シンプルにデータを取得したい場合も、条件付きロジックに基づく複雑なやり取りを実現したい場合も、WhatsApp Flowsにはさまざまな複雑さやカスタマイズのレベルに適応できる多彩なツールがそろっています。

ここからは、WhatsApp Flowsを構成する各種テクノロジーについて見ていきましょう。WhatsApp内で利用者中心のインタラクティブな体験をシームレスに構築および管理するうえで、それらがどのような役割を果たすかについても説明します。

メッセージテンプレート作成フローを構築する

フローの作成を開始するには、メッセージテンプレート作成フローを利用するのが一番簡単な方法です。WhatsAppマネージャからアクセスできるこのフローでは、メッセージテンプレートに沿ってドラッグ&ドロップでフローを作成できる使いやすいツールを利用できます。

メッセージテンプレートからフローを組み込めば、最小限の時間でフローの作成方法を習得することができます。Flows JSONコードの記述も不要なので、幅広いユーザーが利用できる方法です。

フロービルダー

メッセージテンプレート作成プロセスでは処理できないさらに複雑なフローを開発者が作成する場合は、WhatsAppマネージャにあるフロービルダーUIを使用することができます。ここでは、新しいフローの作成と既存のフローの管理ができます。フロービルダーには、Flows JSONのシンタックスハイライトやコードのフォーマット設定などの機能があるコードエディターが組み込まれています。

条件付きロジックや分岐がある複雑なフローを作りたい開発者向けのツールです。

Flows JSON

Flows JSONは、構造、ロジック、UI要素の定義を含む、フローの設計図です。複数のステップからなるフォームを設計する場合でも、アンケートを設計する場合でも、必要な定義はすべてこのFlows JSONに含まれています。静的なテキストフィールドからインタラクティブなボタンまで、すべてを定義することができます。WhatsAppは、Flows JSON内の記述に基づいて各画面のレンダリング、トランジションの管理、利用者からの入力の処理を行います。

Flows API

フローのプログラム面の管理をシンプルにするAPIです。これにより、多数のフローのハンドリングや、既存の開発過程へのフロー作成の組み込みが簡単になります。Flows APIを使えば、フロービルダーUIを介さずにフローの導入、更新、削除を大規模に行うことができます。

WhatsApp Flowsをエンドポイントに接続する

WhatsApp Flowsは単独でも動作しますが、エンドポイントに接続すると、よりダイナミックなやり取りが実現できます。接続によりリアルタイムのデータ交換が可能になるので、予約の受付や認証手続きなどに最適です。加えて、画面内や画面間に条件付きロジックを組み込むことができるので、フローの利用者体験をパーソナライズすることも可能になります。

Webhooks

WhatsApp Flowsのトラッキングと最適化にはWebhooksを利用できます。Webhooksにサブスクリプション登録すると、フローステータスの変化やエラー率、エンドポイントのパフォーマンスといった重要なフロー指標のトラッキングが可能になります。このフィードバックを活用することで、あらゆる問題に対処し、より円滑な体験を積極的にエンドユーザーに提供することができます。

WhatsApp Flowsを利用する

デジタルコミュニケーションにおいては、効率と利用者のエンゲージメントが何よりも重要です。WhatsApp Flowsでは、スムーズに進まない非効率なやり取りを解決するために、さまざまなフォーム入力(ドロップダウンメニュー、ラジオボタン、テキストフィールド)を利用して情報の取得方法を構造化します。

無駄が多く時間がかかるテキストでのやり取りやリンクの使用を減らして、代わりに構造化されたインタラクティブなフローを提供することにより、利用者体験の質とエンゲージメントを向上させることができます。しかも、これらすべてを広く普及している使い慣れたWhatsAppというインターフェイスで提供できるので、利用者による導入もシンプルかつ簡単に行うことができます。

WhatsApp Flowsの活用事例

WhatsApp Flowsの使用例をいくつかご紹介します。

予約の受付と日時指定

予約の受付には、リアルタイムの空き状況確認と予約確定が必要です。そこで、まずはフローをエンドポイントに接続します。これにより、空いている時間枠のライブアップデートをシステムが提供できるようになります。例えば、予約枠を管理するバックエンドロジックをカスタムアプリで処理し、Flows APIとWebhooksでスムーズなデータ交換と通知を実現するといった方法を使用します。

予約の受付と日時指定の画像

リードの獲得

リード獲得を効果的に処理するには、自己完結型のフローを使用します。この用途ではリアルタイムの通信は不要なので、あらかじめ定義したプロンプトを順に表示して利用者情報を取得します。設定がシンプルで、迅速に導入して簡単に使えるため、リード情報の効果的な取得を円滑に行うことができます。

リードの獲得の画像

アンケートの実施

リードの獲得と同様に、アンケートの実施も自己完結型のフローを活用できる分かりやすい事例です。アンケートとさまざまな入力方法をデザインすることで、回答を取得し、データの取得をシンプルに進めることができます。

アンケートの実施の画像

WhatsApp Flowsを最大限に活用する

WhatsApp Flowsは、静的テキストのやり取りとインタラクティブな体験との橋渡しをする機能です。安全なデータチャネルを利用してエンドポイントに接続することで、リアルタイムのデータ交換を実現し、ビジネスと利用者間の情報の流れを改善することができます。

WhatsApp Flowsは、利用者のジャーニーを自由にデザインし、構築し、カスタマイズできるキャンバスであり、完結したエンドツーエンドの体験を実現する手段です。

以上でWhatsApp Flowsの機能についてはしっかり理解していただけたと思います。次は、WhatsApp Flowsでどんな革新的なソリューションを構築できるかを検討し、テストをしてみてください。

さっそく使ってみましょう