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FacebookグラフAPI v16.0とマーケティングAPI v16.0の導入

2023年2月2日作成者:Ayyad Farah

本日、FacebookグラフAPI v16.0およびマーケティングAPI v16.0をリリースします。このリリースの一環として、開発者コミュニティのさまざまな部分に関連すると思われる変更内容のハイライトを紹介します。変更内容の例として、アプリケーションの当社プラットフォームとの統合に関連すると思われるお知らせ、製品のアップデート、廃止に関する通知などが挙げられます。

すべての変更内容とその詳細の一覧は、更新履歴をご覧ください。

一般的なお知らせとアップデート

WhatsApp Businessプラットフォームのエラー応答

APIのエラー応答動作の改善を目指す継続的な取り組みの一環として、以下の変更を行いました。

  • エラーサブコード(使用されることはめったになく、これを頼りにしないでください)は、v16.0以降のエラー応答に含まれなくなります。代わりにcodeとdetailsを使用してください。
  • エラーコード100 ("code":100) には、特定のエラーの性質を示す固有のタイトルが複数ありました。今後は、すべてのコード100エラーのタイトルにInvalid Parameterが使用されます。特定のコード100エラーの性質を示す従来のタイトルは、detailsプロパティに移動しました。この変更は、コード100エラー応答を記述するWebhooksペイロードにも反映されています。
  • Webhookのエラーオブジェクトに新しいメッセージプロパティができました。これは、APIエラー応答ペイロードのメッセージプロパティにマッピングされています。

あらゆるAPIへのアドバンスアクセスに開発者プラットフォームでのビジネス認証が必須に

2023年2月1日に発表したとおり、Meta開発者プラットフォームのいずれのアクセス許可においてもアドバンスアクセスを取得するために、Metaは開発者に自社ビジネスの認証をお願いすることにしました。これは、ビジネスや組織の真正性と正当性の確認をスムーズに行うためのプロセスの一部です。

2023年2月1日以降に作成されたアプリについては、新しいアプリがアドバンスアクセスをリクエストした時点で、段階的にこの要件を適用していきます。2023年2月1日より前に作成された、アドバンスアクセスを利用できるアプリは、2023年5月1日より認証済みビジネスとの連携が必須となります。アドバンスアクセスを承認される前にビジネス認証を必要とするアクセス許可のリストについては、こちらのページをご覧ください。

廃止と重要な変更

おすすめ旅行先の廃止

おすすめ旅行先の設定は2018年にリリースされました。旅行業界の広告主がこの設定をオンにすると、旅行の意向を示したけれども行き先を決めていない利用者に向けて、優先して広告配信が行われます。Facebook、Instagram、Audience Networkを横断して適切な利用者へ適切なタイミングで広告を配信するために、おすすめ旅行先は既存のターゲット設定オプションと併用されました。この4年間に機械学習システムの継続的な開発と広範なテストが行われた結果、現在ではこの設定をオプションとして使わなくても、旅行業の広告主が旅行の意向がある消費者にリーチして同様のパフォーマンス目標を達成できるようになっています。

2023年2月2日をもって、広告マネージャとAPIの新規キャンペーンから、おすすめ旅行先の設定オプションが削除されます。当社は、この設定はもう必要がなくなっており、この設定なしでも同様のパフォーマンスを実現していただけると判断しました。それまでの間、この設定をオンまたはオフにすることで、キャンペーンのパフォーマンスに明らかな影響が出る可能性はまずありません。

機械学習モデルの改善により、この設定オプションなしでも同様の目標とパフォーマンスの実現が可能になっています。この設定を廃止することで、エクスペリエンスがさらに効率化するでしょう。

プロスペクティング用フライト広告の廃止

プロスペクティング用フライト広告は2018年9月にリリースされ、成功を収めました。2021年半ばになって、この商品には技術的な問題が生じ始め、エラーも見つかり、キャンペーンが効率的に実施できなくなっています。そのため、広告主の皆様には早めに、他のプロスペクティング方法へ切り替えをおすすめすることにしました。このリターゲティング機能は存続し、今後もご利用いただくことはできます。

皆様や皆様のパートナーが現在、フライト広告によるプロスペクティングをご利用の場合、2023年5月1日までに既存のキャンペーンをすべてオフにすることをおすすめします。

インスタント記事の広告配置の廃止

2023年4月20日をもって、Facebookのインスタント記事とインスタント記事の広告配置を廃止します。インスタント記事は2015年に初めて導入されました。パブリッシャーがモバイル上でインタラクティブなメディア記事を作成し、Facebook広告でそれを収益化することができます。しかし、大部分のFacebook利用者にとってニュースの発見がFacebookでの体験に占める割合は小さく、そして利用者からはフィードにおけるこのようなコンテンツの表示を減らして欲しいというお声をいただいていました。そのため、利用者の意向に沿って投資を調整することにしました。

2023年4月20日以降、広告マネージャやマーケティングAPIで新規キャンペーンを作成する際に、インスタント記事の広告配置を使用できなくなります。2023年4月20日以降、インスタント記事の配置のみを使用している既存の広告セットは停止されます。インスタント記事の配置を使用しているその他の広告セットは自動的に更新され、インスタント記事の配置が除外されます。

利用者のプロフィールに投稿されたコンテンツのリアクション、コメント、タグが非表示に

このリリースで実装する変更により、セッションの利用者のコメント、リアクション、タグが非表示になります。利用者のプロフィールの投稿の「via」および「sharedposts」フィールドも空のデータを返します。この変更が影響を与えるのは、利用者のプロフィールに投稿されたコンテンツのみです。

TLS 1.2より前のバージョンのサポートを廃止

セキュリティ対策強化のため、グラフAPIにおけるTLS 1.2より前のバージョンのサポートを廃止します。TLS 1.2をお使いの場合は、静的なRSA暗号(AES128-GCM-SHA256、AES256-GCM-SHA384、AES128-SHA、AES256-SHA、DES-CBC3-SHA)も廃止されます。旧バージョンのTLSでAPIリクエストをした場合、90日後にエラーが返されます。

旧バージョンのTLSを使用(TLS 1.2より前のバージョンを使用、またはTLS 1.2で静的なRSA暗号[AES128-GCM-SHA256、AES256-GCM-SHA384、AES128-SHA、AES256-SHA、DES-CBC3-SHA]を使用)しているブラウザーからdeveloper.facebook.comへのウェブトラフィックも、2023年5月1日以降は拒否されるようになります。

WhatsAppのテンプレートカテゴリ

昨年、WhatsAppマネージャとAPIにおけるテンプレートカテゴリタイプをアップデートしました。WhatsApp Businessプラットフォームへの送信という新しいユースケースに対応することが目的です。こうしたユースケースをより正確に反映するため、2023年2月2日にテンプレートカテゴリの名前を変更します。

  • マーケティングテンプレートの名前は今後もマーケティングです (変更なし)
  • 取引テンプレートの名前はユーティリティに変わります
  • OTPテンプレートの名前は認証に変わります

グラフv16を使用してテンプレートを作成または編集する場合は、この新しいテンプレートカテゴリを使用する必要があります。5月1日にはこの変更がすべてのバージョンに適用され、テンプレートを作成または編集する際には使用するバージョンにかかわらず、この新しいカテゴリを使用が必須になります。テンプレートの作成や編集のプロセスに支障が出ないようにするには、ビジネスとBSPは2023年5月1日までになるべく、新しいカテゴリの値とテンプレートを使用するようAPI呼び出しを更新しておく必要があります

その他の重要な日程や考慮事項は以下のとおりです。

  • テンプレートのマイグレーション: 4月1日に、WhatsAppのすべての既存テンプレートが新しいテンプレートカテゴリへ移行されます。テンプレートの新しいカテゴリ分けはWhatsAppマネージャで確認でき、ビジネスはこれを5月15日までレビューできます。このカテゴリ分けに不満がある場合、5月15日までは異議申し立てを送信できます。4月1日~5月1日にグラフAPI v15以前のバージョンを使用して新規作成または編集したテンプレートは、5月5日に移行されます。そのため、4月1日以降はテンプレート作成時にv16を呼び出すことをおすすめします。5月1日には、WhatsAppマネージャまたはすべてのバージョンのグラフAPIで作成されたテンプレートに新しいテンプレートカテゴリが反映されるようになります。
  • 新しいテンプレートカテゴリでのテンプレート作成: 4月1日より、グラフAPI v16およびWhatsAppマネージャで作成されたテンプレートはすべて、承認のためにカテゴリ確認が必要になります。新規作成または編集されたテンプレートにおいて選択されたカテゴリが正しくないことがWhatsAppによって検出されると、そのテンプレートは拒否されます。拒否の理由は、選択されたカテゴリとテンプレート内容の不一致となります。詳細はテンプレートガイドラインに記載されています。この場合、ビジネスはカテゴリ選択を変更して再送信するか、テンプレートを編集するか、決定に対する異議を申し立てることができます。5月1日からは、新規作成される変数付きテンプレートにインラインのサンプルが必要になります。6月1日からは、テンプレートカテゴリごとの新しいレートカードに基づいてビジネスへの請求が行われます。

Messenger APIプラットフォーム

v16以降では、定期的なお知らせを簡素化するために、メッセージの頻度を指定するオプションを廃止します。詳しくは、Messengerの更新履歴をご覧ください。

APIバージョンの廃止

グラフAPIマーケティングAPIに関するFacebookのバージョン管理スケジュールに含まれる、今後の廃止予定に注意してください。

グラフAPI

  • 2023年2月23日: グラフAPI v9.0は廃止され、プラットフォームから削除されます
  • 2023年6月8日: グラフAPI v10.0は廃止され、プラットフォームから削除されます
  • 2023年9月14日: グラフAPI v11.0は廃止され、プラットフォームから削除されます

マーケティングAPI

  • 2023年4月25日: マーケティングAPI v14.0は廃止され、プラットフォームから削除されます

ビジネスへの支障が出ないように、すべての呼び出しを本日リリースされた最新のAPIバージョンにマイグレーションすることをおすすめします。

FacebookプラットフォームSDK

FacebookプラットフォームSDKの2年にわたる廃止スケジュールの一環として、今後の廃止および終了の予定にご注意ください。

  • 2023年6月: FacebookプラットフォームSDK v9.0以下の廃止が進められる予定です
  • 2023年10月: FacebookプラットフォームSDK v11.0以下の廃止が進められる予定です
  • 2024年2月: FacebookプラットフォームSDK v12.0以下の廃止が進められる予定です