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FacebookグラフAPI v15.0とマーケティングAPI v15.0の紹介

2022年9月15日作成者:Achyuth Venkatesh

本日、FacebookグラフAPI v15.0およびマーケティングAPI v15.0をリリースします。このリリースの一環として、当社の開発者コミュニティのさまざまな部分に関連すると思われる変更内容のハイライトを紹介します。変更内容の例として、アプリケーションの当社プラットフォームとの統合に関連すると思われるお知らせ、製品のアップデート、廃止に関する通知などが挙げられます。

すべての変更内容とその詳細の一覧は、更新履歴をご覧ください。

一般的なお知らせとアップデート

カスタムコンバージョン作成条件の簡素化

広告主のためのキャンペーン作成処理を簡素化するため、新たに作成されるカスタムコンバージョンでは、グラフAPI v15.0のリリースに関連付けられたルールが少なくとも1つ必要になります。ルールを必要としないカスタムコンバージョンでは、カスタムイベント最適化を利用しなければなりません。それにより、カスタムイベントに対して広告キャンペーンを直接最適化できます。当社では、広告主のニーズと用途への対応を向上するため、既存のカスタムコンバージョンを、オールインワン型の単一オファリングから、価値固有の複数製品へと移行する作業を積極的に進めています。この変更により広告主は、カスタムイベントベースのカスタムコンバージョンから、カスタムイベント最適化への移行を促されます。

プラットフォーム利用規約の更新

当社は、開発者のアプリが一定の期間使用またはアクセスしていないプラットフォームのAPI、アクセス許可、または機能に対して削除を行うタイミングに関するプラットフォーム利用規約を改定します。プラットフォーム利用規約では、2022年12月15日以降、28日間以内にアクティビティがあることがアクティブと見なされる条件となります。

アプリがアクティブでないという旨の通知を受け取った場合に該当アプリの復元を望む場合は、アプリ管理者の権限で復元できます。

プラットフォーム利用規約で変更内容の全貌を確認するには、こちらをご覧ください。

廃止と重要な変更

Advantageカスタムオーディエンスが登場

2022年9月19日より、Advantageカスタムオーディエンスの展開を開始します。Advantageカスタムオーディエンスでは、広告主のカスタムオーディエンスを利用して配信をガイドし、広告主が表明した最適化の目標達成につながる可能性が高い、より多くの人々を発見する後押しをします。これは、パフォーマンス向上が見込まれるのであれば、カスタムオーディエンス外でも広告を配信することを意味します。Advantageカスタムオーディエンスは、Advantage詳細ターゲット設定やAdvantage類似オーディエンスが含まれる、当社のAdvantageターゲット設定製品スイートに属しています。当社のAdvantageターゲット設定製品では、高度な自動化や機械学習のテクノロジーを活用し、手動による作業を削減することで、広告主キャンペーンパフォーマンスの向上を図っています。

カスタムオーディエンスを利用する広告主は、Advantageカスタムオーディエンスを選択できます。広告主は、Advantageカスタムオーディエンスによりカスタムオーディエンス(ウェブサイト、アプリアクティビティ、カスタマーリスト、エンゲージメント)の作成や、関関連性が高い追加/除外の適用を継続しつつ、当社の高度な自動化や機械学習のテクノロジーを利用できます。それにより、広告主はカスタムオーディエンスを配信ガイドのソースとして使い、表明している最適化の目標達成につながる可能性が高い、さらに多くのユーザーにリーチすることができます。

新しく作成するキャンペーンでウェブサイトカスタムオーディエンス、モバイルカスタムオーディエンス、エンゲージメントカスタムオーディエンスのいずれかを設定すると、自動的にAdvantageカスタムオーディエンスがオンになります。Advantageカスタムオーディエンスの使用を停止する場合は、当社の広告作成ツールの[カスタムオーディエンス]セクション内の[Advantageカスタムオーディエンス]チェックボックスをオフにします。

特別な広告オーディエンスの廃止

米国住宅都市開発省(HUD)と当社の合意事項の一環として、広告主が住宅、求人、クレジットに関連した広告セットのオーディエンスを拡大するためのツールである特別な広告オーディエンスの廃止を進める予定です。マーケティングAPIを通じて特別な広告オーディエンスを作成する機能は、2022年9月15日以降削除されます。

2022年9月15日をもって特別な広告オーディエンスを新たに作成できなくなることは、広告主とパートナーにとって重大な変更となるでしょう。このバージョン管理外の変更により、これまで得られていた恩恵が受けられなくなるからです。特別な広告オーディエンスは、住宅、求人、およびクレジットの広告向けの特定のターゲット設定オプションが削除されたことに加えて、類似オーディエンスに代わるものとして、2019年に導入されました。しかし、機械学習における公平性の分野は流動的であり、特別なオーディエンスは初期の問題に対処するために採用された方法でした。現在では、公平性改善に向けた新しいアプローチ(先に発表した方法も含む)に焦点が移ろうとしています。

この廃止に関連して影響を受けるエンドポイントの一覧を以下に示します。

オーディエンスの読み取り:

  • エンドポイント gr:get:AdAccount/customaudiences
  • フィールド operation_status

広告セットの作成:

  • エンドポイント gr:post:AdAccount/adsets
  • フィールド subtype

広告セットの編集:

  • エンドポイント gr:post:AdCampaign
  • フィールド subtype

カスタムオーディエンスの作成:

  • エンドポイント gr:post:AdAccount/customaudiences
  • フィールド subtype

カスタムオーディエンスの編集:

  • エンドポイント gr:post:CustomAudience

コード実装のサポートについて詳しくは、初期のブログ投稿および開発者向けドキュメントをご覧ください。

Advantage詳細ターゲット設定/Advantage類似オーディエンスのパリティ

このプロジェクトでは、広告セットを使うAPIユーザー向けのシグナルとしての詳細ターゲット設定(Advantage詳細ターゲット設定)と、目標としてのメッセージ/アプリインストール(投稿広告マネージャーのリリース)との間のパリティを導入します。当社は以前、コンバージョンを目標とし、コンバージョン/価値を最適化目標とする広告セット(VO/OC広告セット)に対して、API用のAdvantage詳細ターゲット設定をリリースしました。

現在、広告主がメッセージまたはアプリインストールを目標とする広告セットをAPIを使って作成する際には、ターゲット設定条件(L2)として2つの情報を渡すことになっています。つまり、詳細ターゲット設定のインプット(クリケット、フットボール、犬など)のリストと、それらのインプットを超えた展開を希望する(Advantage詳細ターゲット設定と呼ぶ)かどうかを示すフラグを渡します。そのフラグが有効な場合、パフォーマンス向上が見込まれるのであれば、詳細ターゲット設定の選択内容を超えた配信が実施されます。無効になっている場合は、広告主が指定した選択項目のリストに配信が限定されます。

今後(広告マネージャーのリリース後)、広告主がメッセージやモバイルアプリのインストールを目標とする新しいキャンペーンを作成する際には、その詳細ターゲット設定の内容が、広告配信をガイドする(制約ではなく)インプットとして使われる予定です。そのため、それらの目標でのDTEフラグの使用は廃止され、ターゲット設定を超えた展開が詳細ターゲット設定選択のデフォルトの動作となります。その際には、パフォーマンス向上が見込まれるのであれば、詳細ターゲット設定の内容を超えた配信が行われる可能性があります。それ以外のターゲット設定の選択と除外には、影響がありません。この変更は、特別なカテゴリには適用されません。

しくみ

かつて広告主は、targeting_optimizationフラグに値expansion_allまたはnoneを設定して渡すことで詳細ターゲット設定を超えた展開を有効/無効にしていました。それらの広告セットについて、詳細ターゲット設定の動作のセマンティクスが変更になったため、メッセージまたはアプリのインストールを目標とする広告セットを作成する際に、広告主がこのフラグを渡す必要はありません。このフラグが新たに作成される広告セットには影響しないからです。これらの新たに作成されるすべての広告セットでは、常に詳細ターゲット設定の内容が、当社のバックエンドシステムへのシグナルとして使われます。シグナルを受け取ったバックエンドシステムは、広告主にとってパフォーマンスの向上が見込めるのであれば、それらの選択内容を超えて広告を配信する判断を下す可能性があります。

targeting_optimizationフラグは、新たに作成される広告セットに一切の影響を与えないので、今後、メッセージやアプリのインストールを目標とする新しいキャンペーンでは、このフィールドが廃止される予定です。

  • そのため、広告主が新たなMAI/メッセージ広告セットを作成する、またはそのような新たに作成した広告セットの配信推定値を照会するときにtargeting_optimizationフラグを渡した場合、今後このパラメーターを送信しないことを求めるエラーメッセージが表示されます。
  • 新しいアプリインストール/メッセージの広告セットの作成中に、targeting_as_signalという新しいフィールドがバックエンドで設定されるようになります。このフィールドは、広告セットが詳細ターゲット設定の内容を超えて展開されるかどうかを検証するためにのみ、広告主がGETコマンドで利用できます。

注: シグナルとしての詳細ターゲット設定に対するこれらの変更内容は、メッセージやアプリのインストールを目標として新たに作成される広告セットにのみ適用されます。

スコープ内のAPIエンドポイント:

  • gr:post:/act_XXXX/ adsets
  • gr:get:/<adset_id>/delivery_estimate

ページタブの廃止

ページカスタムタブAPI機能が、グラフAPIでは利用できなくなることをお知らせします。当社は新しいページエクスペリエンスを展開しており、ページAPI機能の中には今後廃止予定のものがいくつかあります。ページカスタムタブ機能は新しいページエクスペリエンスでは利用できなくなるので、APIでのサポートが終了する予定です。今、これらのアップデートについてお知らせするには、開発者やそのクライアントが、それぞれのページで当該機能の廃止を伝えたり、ページに必要な変更を加えたりするのに十分な猶予を与えるためです。この機能は、2022年12月14日に完全に廃止されます。

APIバージョンの廃止:

グラフAPIマーケティングAPIに関するFacebookのバージョン管理スケジュールに含まれる、今後の廃止予定に注意してください。

グラフAPI

  • 2022年11月1日: グラフAPI v8.0は廃止され、プラットフォームから削除されます
  • 2023年2月23日: グラフAPI v9.0は廃止され、プラットフォームから削除されます
  • 2023年6月8日: グラフAPI v10.0は廃止され、プラットフォームから削除されます

ビジネスへの支障が出ないように、すべての呼び出しを本日リリースされた最新のAPIバージョンにマイグレーションすることをおすすめします。

FacebookプラットフォームSDK

FacebookプラットフォームSDKの2年に渡る廃止スケジュールの一環として、今後の廃止および終了の予定にご注意ください。

  • 2023年1月: FacebookプラットフォームSDK v8.0以下の廃止が進められる予定です
  • 2023年6月: FacebookプラットフォームSDK v9.0以下の廃止が進められる予定です
  • 2023年10月: FacebookプラットフォームSDK v11.0以下の廃止が進められる予定です