2020年12月16日

2021年初めにFacebookは、AppleのApp Tracking Transparency (ATT)プロンプトの表示を開始します。FacebookとInstagramがAppleのATTプロンプトを表示するようになると、当社のビジネスツールから、モバイルサイトイベントの最適化、ターゲット設定、および/またはレポート作成の機能を利用するビジネスは、Appleが求めているデータ共有に関する制限の影響を受けます。

主な変更点は、キャンペーンにis_skadnetwork_attributionという新しいフィールドが設けられたことです。このフィールドがtrueに設定されている場合、このキャンペーンはiOS 14のユーザーをターゲットにしていると見なされます。本ドキュメントでは、このようなキャンペーンをSKAdNetworkキャンペーンと呼びます。詳しくは、重要な変更制限近日公開予定の新機能をご覧ください。

Appleの新しいポリシーに対応して、iOS 14のユーザーをターゲットにしたものだけでなく、すべてのキャンペーンへの重要な変更、そしてすべてのキャンペーンに対する広告インサイト指標の更新についても発表します。これらの変更はまだ有効になっておらず、現時点では実装はできませんが、できる限り前もって多くの情報をお知らせしたいと考えています。

SKAdNetworkキャンペーンについての重要な変更

影響を受けるエンドポイント 変更内容

POST /{ad-id}

このタイプのキャンペーンで作成された広告において、ディファードディープリンクはサポートされていません。

POST /{ad-account-id}/adsets

モバイルアプリのカスタムオーディエンス(MACA)を、ターゲット設定に含めるための指定で使用することはできません。


ターゲット設定を指定する際に、アプリのつながり(アプリのつながり、アプリのつながりの友達、アプリのつながりを除外)を使うことはできません。

GET /{ad-account-id}/insights
GET /{campaign-id}/insights
GET /{ad-set-id}/insights
GET /{ad-id}/insights
POST /{ad-account-id}/insights
POST /{campaign-id}/insights
POST /{ad-set-id}/insights
POST /{ad-id}/insights

変更が有効になると、iOS14のキャンペーンとiOS14以外のキャンペーンの両方を通じてコンバージョン指標値を集計することができなくなります。

すべてのキャンペーンについての重要な変更

影響を受けるエンドポイント すべてのキャンペーンについての変更

POST /adaccount

attribution_specで新しい広告アカウントを作成することはできなくなります。さらに、広告アカウントのアトリビューション設定を編集することはできません。

POST /{ad-id}
POST /{ad-account-id}/ads

これらのエンドポイントには、ウェブドメインを保存するために使われる、conversion_domainという新しいフィールドが設けられます。キャンペーンにおいてピクセルとの間でデータを共有する広告を作成または更新するには、conversion_domainを指定する必要があります。


既存の広告の場合、このフィールドは、リンク先URLから推測することによって自動でデータが設定されます。

POST /ADSETS

モバイルアプリのインストール広告(nonSKAdNetwork)には、以下の制限が適用されるようになり、それらについては今後検証されることになります。


広告セットの認証変更(失敗した場合APIエラー):


  • iOS 14以降のデバイスをターゲットにしたアプリインストール、アプリイベント、またはバリュー最適化を伴う広告セットの作成をブロック
  • デフォルトのターゲット設定文字列を使って広告セットが作成されており、最適化の目標がアプリインストール、アプリイベント、またはバリューである場合、iOS14以降のデバイスはフィルタリングにより自動的に除外されます。

POST:ADCAMPAIGN

コスト入札キャンペーンの場合、期間は3日間以上にする必要があります。

GET /{ad-account-id}/insights
GET /{campaign-id}/insights
GET /{ad-set-id}/insights
GET /{ad-id}/insights
POST /{ad-account-id}/insights
POST /{campaign-id}/insights
POST /{ad-set-id}/insights
POST /{ad-id}/insights

変更が有効になると、アトリビューション時間枠が7d_view28d_view28d_clickのオフサイトウェブコンバージョン指標はサポートされなくなります。過去データ、つまり変更が有効になるより前のデータにアクセスできるようにするため、これらの時間枠も引き続き利用可能です。

SKAdNetworkのキャンペーン、広告セット、広告の制限

1つのFacebookアプリIDの下で、iOS 14ユーザーをターゲットとする広告主は、1つの広告アカウント、9つのキャンペーン、5つの広告セットを持つことができます。詳しくは、下記をご覧ください。

SKAdNetworkキャンペーンには、以下の制限があります。

  • 同じアプリが別の広告アカウントですでに宣伝されている場合、そのアプリを宣伝するためのSKAdNetworkキャンペーンを作成することはできません。
  • SKAdNetworkキャンペーンを作成して、外部アプリを宣伝するには、以下の要件に従う必要があります。
    • 宣伝対象のアプリはiTunesアプリでなければなりません。つまり、promoted_objectobject_store_urlがiTunesアプリを参照していなければなりません。
    • キャンペーンの作成に使う広告アカウントには、宣伝対象のアプリの広告を掲載する権限が付与されていなければなりません。
    • 宣伝対象のアプリのFacebook Business SDKはv8.0以上でなければなりません。モバイル測定パートナーSDKを使う場合は、SDKもアップデート済みであることを確認してください。
  • SKAdNetworkキャンペーンが公開されて以降は、宣伝対象オブジェクトやSKAdNetworkフラグを編集できなくなります。
  • buying_typeは常にauctionでなければなりません。

SKAdNetworkキャンペーン内で作成される広告セットには、以下の制限があります。

  • 各SKAdNetworkキャンペーンでは、最大5つの広告セットが可能です。
  • user_osでiOS 14以降を指定する必要があります。無効な値を指定した場合、広告セットを作成できません。
  • デフォルトのターゲット設定文字列を使って広告セットを作成した場合、その広告セットがiOS 14以降のデバイスに適用できるかどうかに基づいてターゲットデバイスが絞り込まれます。

SKAdNetworkキャンペーン内で作成される広告には、以下の制限があります。

  • iOS 14アプリ広告は、SKAdNetworkキャンペーン下の広告セットでのみ作成できます。

近日公開予定の新機能

/ios_fourteen_campaign_limits — このエンドポイントは、iOS14キャンペーンの制限に関する情報を提供します。これには、新しいキャンペーンや広告セットに利用できるスロットの数などの情報が含まれます。

広告インサイトの更新

以下の新機能は、SKAdNetworkキャンペーンに限らず、すべてのキャンペーンに適用されます。

action_report_timeの新オプションmixed(混合)

このオプションは、/adcampaigngroup/adcampaign/adgroup/adaccountに対するGETリクエストで使うことができます。action_report_timeをmixed(混合)に設定すると、広告で発生するアクション(インプレッションやリンクのクリックなど)がインプレッション時間の下で報告され、広告外で発生するアクション(ウェブサイトでの購入など)がコンバージョン時間の下で報告されます。action_report_time下でオプションが指定されていない場合、デフォルトとしてmixed(混合)オプションを反映した動作になります。

該当する広告の外部やFacebook外で発生したアクション(ウェブサイトでの購入など)については、過去データに関するインプレッション時間の報告が引き続きサポートされます。しかし、今後サポートされるのはコンバージョン時間だけになります。広告外だがFacebook上で発生するインラインアクションについては、過去のキャンペーンでも今後のキャンペーンでもインプレッション時間の報告が引き続き利用可能ですが、デフォルトはコンバージョン時間になります。

新フィールドuse_unified_attribution_setting

このフィールドは、/adcampaigngroup/insights/adcampaign/insights/adgroup/insights/adaccount/insightsに対するGETリクエストとPOSTリクエストで使うことができます。use_unified_attribution_settingtrueに設定すると、問い合わせのコンバージョン指標アトリビューションとキャンペーン最適化において、問い合わせ対象の広告オブジェクトのattribution_settingが使われます。つまり、コンバージョンに広告が寄与したとされ、キャンペーンの最適化通知に使用される単一の期間が使われます。

use_unified_attribution_settingtrueに設定されている場合は、次のようになります。

  • use_account_attribution_settingフィールドは無視されます。また、
  • 複数の異なるアトリビューション設定値を通じてコンバージョン指標値を集約することはできません。

新フィールドattribution_setting

このフィールドは、/adcampaigngroup/insights/adcampaign/insights/adgroup/insights/adaccount/insightsに対するGETリクエストとPOSTリクエストで使うことができます。このフィールドは、どのアトリビューション設定がコンバージョン指標によって使われているかを示すために利用されます。アトリビューション設定は、広告作成中に広告セットレベルで設定されます。それにより、システムが最適化するコンバージョンが、測定対象と同じものであることが保証されます。

mixed(混合)またはSKAdNetworkに依存する設定値を使う広告オブジェクトの問い合わせの場合、attribution_settingの返す値は次のとおりです。

  • mixed: キャンペーンまたはアカウントに、複数のアトリビューション設定を使った広告セットがある場合に、そのことを示します
  • skan: iOS 14アプリインストールキャンペーンでSKAdNetworkのアトリビューション設定が使われることを示します
  • na: キャンペーンまたはアカウントに広告セットがない場合に、そのことを示します

atribution_settingが値を返すのは、use_unified_attribution_settingtrueの場合だけです。それ以外の場合、応答ではattribution_settingは返されません。